ぱぷでみー賞

日本一役に立たない映画感想とか趣味の話し。

THE GUILTY/ギルティ/まさに電話版『Search』!!

いつもお読み頂きありがとうございます。
今日は電話版『Search』といわれているデンマーク映画『THE GUILTY』です。
『Search』はアイディアもストーリーもプロットも完璧に面白かったので期待大です!!

 

 

  • まずは概要
  • あらすじ
  • ネタバレ無し感想
  • ネタバレ有り感想

 


まずは概要

 

原題:Den skyldige
上映時間:85分
監督:グスタフ・モーラー
脚本:グスタフ・モーラー/エミール・ニゴー・アルバートセン
出演者:ヤコブ・セーダーグレン
公開:2018年
製作国:デンマーク

 

 

THE GUILTY/ギルティ(字幕版)

THE GUILTY/ギルティ(字幕版)

  • ヤコブ・セーダーグレン
Amazon

 

Amazon Primeに吹替版もありました

THE GUILTY/ギルティ(吹替版)

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  • ヤコブ・セーダーグレン
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あらすじ

 

デンマークの110番通報の指令室的なところでオペレーターをしている主人公のアスガー
夜だからか酔っ払いの喧嘩とか、くだらない感じの通報ばっかりで適当に流しているのかと思いきや、どうやら元々オペレーターではなく現場の刑事さんのよう。
なにか訳ありでオペレーター業務をしている感じで。

 

そこに女性から一本の電話があり、最初は「また酔っ払いか??」的にあしらっていたのですが、どうやら様子が変だぞ…と思い始めるアスガー
子供に話しかけるように状況を伝えてくるその女性は、どうやら誘拐されて今は男の車に乗っているよう。

 

元々現場の刑事アスガーとしては「俺が解決しなければ!!」となり業務の範囲を超えて調査を始める。
女性の自宅へ電話をかけ、子供と話すと「パパがママを連れて行った」と…
警官を自宅へ向かわせたところ2人の子供がいたが…

 

タイトルのGUILTYとは誰の罪なのか…??
さらわれた女性は…??

 

…と電話版『Search』としての雰囲気はいい感じです。

 

 

ネタバレ無し感想

 

電話版『Search』って言われたら気になっちゃう。
確かに電話版『Search』だった笑
凄く面白い!!

 

斬新さは『Search』のが上だけど、舞台を110番の指令室にしてるのが主人公を動けなくさせていて面白い。
これアスガーが現場に向かいだしたら途端に凡作になりそうですもんね。

 

しかも主人公は元々オペレーターではなくて現場の刑事なのですが、前に担当した事件で裁判沙汰になり、所謂"白黒つくまで地味部署で大人しく反省してろ"な状況。
だから周りの本物オペレーター達を見下してるし、仕事もやる気なかったし、不馴れなのも手伝って周りと連携しないっていうマズイ状況が引き起こした悲劇。
他の人にマチルデの話し相手を頼めよ!!って思いながら観ていた私のがオペレーター向いてる笑

 

『Search』みたいにちょっとずっと全貌がみえてきて…って話しなのですが、こちらも都合よく「ずいぶん長いこと電話できるなぁ」なんて思ってると「なるほどね~」なオチがあります。
あんまり書くと察しがついちゃいそう。

 

主人公は自分の罪を認めるのが苦手なんですよね。
まぁ誰でもそうだろうけど。
結局最後の最後まで「マチルデをオリバーの元に向かわせたのは私の責任だ」ってことは白状しなかったもんね。

 

 

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奇跡の海/トリアー監督だよ、奇跡なんて起きないよ

いつもお読み頂きありがとうございます。
今日はラース・フォン・トリアー監督の『奇跡の海』です。
15年くらい前から観たかったのですが機会に恵まれず、ついにAmazon primeでレンタルした。
サイコー

 

  • まずは概要
  • あらすじ
  • ネタバレ無し感想
  • ネタバレ有り感想

 


まずは概要

 

原題:Breaking the Waves
上映時間:158分
監督:ラース・フォン・トリアー
脚本: ラース・フォン・トリアー
出演者:エミリー・ワトソン/ステラン・スカルスガルド/カトリン・カートリッジ
公開:1996年年
製作国:デンマーク、 スウェーデン、フランス、オランダ、 ノルウェー、アイスランド、スペイン、イギリス

 

奇跡の海

奇跡の海

  • エミリー・ワトソン
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あらすじ

 

WikipediaとかAmazonとかの大人が書いた紹介によると、とにかく純粋で、無垢だとか、天真爛漫らしい信仰心のつよい女性のベス。
どちらかというとちょっと障害があるんじゃないかなと思う。
言葉の真意も読み取れてないし、善悪の判断が曖昧だし、感情で動きすぎてるメンヘラちゃん。
そんなとにかく明るいベス村さんは、おそらくそんなに長くお付き合いしていない村の外からきた、とにかく胡散臭いヤン村さんと村の長老どもの反対を押し切って結婚。

 

田舎の寒村なので長老と教会の権力は絶大だし、めちゃくちゃ排他的で保守的な雰囲気は開始10分しないで溢れ出ている。

 

新婚ラブラブ挙式や初夜を足早に、でもしっかりと何故かモザイクなしでみせられて何とも言えない気分になっていると、ヤン氏は沖合の石油掘削施設で働いているので戻らねばとなる。
離れ離れになることは分かっていた事なのに泣き喚き、駄々をこねるメンヘラ爆発ベスさん。
飛ぼうとしてる飛行機?のドア開けちゃいかん。

 

「神様早く愛しのヤンを私の元に返してくれや」ってお祈りしていたら、あら不思議!!本当に予定より早く帰ってきました。大けがをして…
とにかく胡散臭いと思っていたヤン氏ですが、首から下が動かなくなってしまった自分の人生に付き合わせるのは申し訳ないけど、(田舎だから??信仰があついから??)離婚もできないから、愛人つくって俺以外と幸せになってくれって言う、案外良心的な人だった。

 

でもプロのメンヘラちゃんが聞き入れる訳もないので、ヤンさんは「俺の為に他の男と愛し合ってきてくれ、その話しを聞かせてくれ」って言うんですよ。
多分「その先そいつと幸せになって、俺のことなんて忘れていいぞ」って意味なのに
「私が神様に早く返してなんて言ったからだ!!」ってマジで思っているので、言葉そのままに捉えて手当たり次第の男を誘ってみたりする。

 

そんな事をすれば信仰心のつよい、ド田舎でどうなるかは火を見るよりも明らかなのに…
って辺りでストーリーは半分を過ぎたかな??って感じです

 

ネタバレ無し感想

 

公開当時は未だトリアー監督もメジャーじゃなかったからか愛の軌跡を描いたラブストーリーみたいに紹介されていたり、それっぽい感想の人もたまにいるみたいですが、トリアー監督がどんな人間か分かった今、どう考えてもただの胸糞映画ですね。

 

家族にストーリーを説明したら「この世は地獄なの??笑」って言われました。

 

ベスは教会で神様と話す時、一人二役で声色まで変えて神様役をやっているのですが、その自分の声をガチで神様的に捉えてるんですよね。
「マグダラのマリアも主に愛されただろ」とか都合のいいこと言って。怖すぎる

 

どう考えても普通じゃないと思うのですが、時代が時代なのでちょっと変わった子で片付けられてしまったのでしょうか…精神病棟に入れられていた的な話はちらっと出てきてましたが…。

 

『ダンサー・イン・ザ・ダーク』のセルマとどっちがより救いがないか論があるようですが、個人的にはベスのが悲惨かなーと思いました。
"子供の為にお金を貯める"と、"主人の為に他の男と寝る"では周りからの理解度に差がありすぎるし、村の子供に石投げられるって…地獄かよ。

 

セルマと言えば何となく思ったのですが、ベスが誰が父親かも分からない子を身籠って、村から出て行かなきゃいけなくなった、分岐したIFの人生がセルマなのではないかと思い始めました。
だからなんだって言われても困るのですが。笑

 

 

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ハングリー・ハーツ/落差『ブルーバレンタイン』越えの激重映画

いつもお読み頂きありがとうございます。
今日は『ハングリー・ハーツ』近年稀にみるポップな出会いからの鬱展開映画!

 

  • まずは概要
  • あらすじ
  • ネタバレ無し感想
  • ネタバレ有り感想

 


まずは概要

 

原題:Hungry Hearts
上映時間:109分
監督:サヴェリオ・コスタンツォ
脚本:サヴェリオ・コスタンツォ
出演者:アダム・ドライバー /  アルバ・ロルヴァケル
公開:2014年
製作国:イタリア

 

 

ハングリー・ハーツ(字幕版)

ハングリー・ハーツ(字幕版)

  • アダム・ドライヴァー
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あらすじ

 

ある中華料理店のトイレから始まるこの映画。
日本の居酒屋でも良くある、扉入って流しがあって、もう一個扉があってトイレの個室があるタイプのトイレ。無駄なトイレの詳細…笑
流しゾーンに入ってくるミナ、トイレ臭い、個室から出てくるジュード、トイレ臭い、流しゾーンから出ようとするも扉の建付けが悪くて出れなくなるジュード、トイレ臭い、謝罪するジュード、臭い臭い言うミナ、扉開かない、お店に電話するも配達と勘違いされる。
臭い、開かない、臭い、開かない、臭い、開かない…開いた!!
無事お付き合い。何でや笑

 

ラブコメかな??ってくらいポップな始まりのくせにこの後の落差が凄い。

 

この後、所謂デキ婚をするのですが…
正確には作っちゃった婚ですね。意図的なところがあるので。

 

そこからミナの精神が不安定になっていき、占い師に「特別な子だ」とか言われたのも割と信じちゃった感じで、夫婦で子供の育て方に相違が生まれて…というお話し。

 

後半はなかなか憂鬱というか、ツラめの展開です。

 

ネタバレ無し感想

 

ハッピーエンドなのかバッドエンドなのか…いや、どっちでもないけどバッドエンドか。
でもあのままじゃ…とも思うし…。

 

アマゾンプライムで見つけて何となく観始めて、最初のトイレのシーンはもはやコメディかと思ったけど、この落差はいったい…

 

奥さんが妊娠を機に反ワク、ビーガン、スピリチュアルに傾倒していき育児ノイローゼになるって感じの話でなかなか重かったです。

カイロ・レンも闇落ちするわな

 

元々のきっかけを作ったのはアダム・ドライバーだけど、皆が皆悪い人じゃなく、息子を愛してたのでつらいものがある。
メインの登場人物はすごく少ないのですが、まさかあんな終わりとは想像もつかなかったです。
え!?え!?え!?え!?ってなる

 

手持ちカメラの映像や、魚眼レンズのような映像はホームビデオ感だそとしてるのかと思いきや、中盤以降は映像が拍車をかけて不安を煽ってくる感じで、もうやめて…って感じです。
でも製作がイタリアなせいか展開が派手じゃなく、なんとなくヨーロッパな雰囲気のある映画。

 

そういえばミナ役の人はイタリア産の激面白映画『おとなの事情』にも出ていた人とか…
地味だけどいい映画によく出てますね。

 

ところでなんなんだよあのオイル

 

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ザリガニの鳴くところ/ザリガニって鳴くの??

いつもお読み頂きありがとうございます。
今日は『ザリガニの鳴くところ』です。
タイトルにも書いたけどザリガニって鳴くんですか??笑
ザリガニの鳴き声も聞こえそうな程静かな奥地(湿地)って感じでしょうか??

『羊たちの沈黙』的な??笑

 

  • まずは概要
  • あらすじ
  • ネタバレ無し感想
  • ネタバレ有り感想

まずは概要

 

原題:Where the Crawdads Sing
上映時間:126分
監督:オリヴィア・ニューマン
脚本:ルーシー・アリバー
出演者:デイジー・エドガー=ジョーンズ/テイラー・ジョン・スミス/ハリス・ディキンソン
公開:2022年
製作国:アメリカ

 

 

ザリガニの鳴くところ (字幕版)

ザリガニの鳴くところ (字幕版)

  • デイジー・エドガー=ジョーンズ
Amazon

 

 

あらすじ

 

ノースカロライナの湿地の映像とナレーションから始まるのですが、それが何とも言えずめちゃくちゃ綺麗です。ネイチャードキュメンタリーみたいなはじまり方笑
湿地なんて言われるとジメジメして暗そうですが、生命に溢れているのにひっそりしていて不思議な感覚です。

 

そんな湿地にいきなり現れる男の人の死体。を発見する子供たち。『スタンド・バイ・ミー』かな??笑
どうやらこのあたりの有力者の家の青年らしい。
事件か事故か良く分からないけど、町の人たちから”湿地の娘”なんて呼ばれて、ひとりで住んでいる若い女性のカイアが容疑者になる。

 

どうやら貧乏とか変わり者的な感じで街の人たちから避けられていたみたいですが、被害者の青年と色々あったみたいで…あの立派なお家の子が被害者で、被害者と訳ありだった街の嫌われ者なら、まぁみんな「やったのは彼女だろう…」ってなるわけで。

 

そんな街にもほんの少しいる人格者の弁護士さんが、弁護を申し出て「君のことを教えて欲しい」と回想を初めて、何故彼女が幼いころから一人で湿地に住んでいるのか…
事件当時までにあった事、支えてくれた人、愛して人、家族についてを話していく。っていうストーリー。
ぶっちゃけ途中までは設定こそ珍しいけど、ストーリーの大筋はベタで少女漫画かな??って感じだし、出てくるキャラの性格は想定を超えてこないのですが…ラスト1分!!
まじで最後の1分くらいでめっちゃ面白くなりました笑

 

ネタバレ無し感想

 

評価高いのも、人気なのも重々承知しているのですが、個人的には中盤のカイヤとテイトとチェイスの話は割とベタで面白いけど特記すべきところがそんなにないなぁという印象です。
湿地という舞台、そこで幼い頃から一人で育った女性、殺人事件~とその他のところがパンチあるのでストーリーはベタにしたのかなとも思いますが…
チェイスなんて「カイヤ!後ろ!後ろ!」って感じです笑

 

チェイスといえばあのチャラ男が貝殻ネックレスをずっとしてたのが気になります。
明らかに遊びの女からもらった身に着ける者なんて、会う時だけつければいい方なのに、彼の母親はいつもつけていたって証言してましたよね…。
キャラクター造と合わない気がするのですが…

 

特記すべきところがないとか失礼なこと書きましたが、湿地の映像は冒頭以降もずっと綺麗で、それでいて静かで孤独に包まれている悲しい感じもありとても魅力的な舞台だと思いました。
そこでテイトから文字を学び、たくさんの生き物を観察して絵を描いて…と言うのはカイヤの生い立ちからするすると凄く説得力があって面白い展開だと思いました。

 

カイヤ、テイト、チェイス3人のプロット以外は独特て面白いのに!!

 

あと個人的に一番気になったのは、カイヤが綺麗すぎないかって所です笑
顔とかではなく、服もいつも小綺麗で何着も着まわしてるは、髪もつやつやでアレンジしてるは、本当に湿地で一人かいな!?って思ってしまいます笑
そんなに沢山ムール貝とったの??笑

 

ムール貝と言えば、おそらくカイヤと同じで村人から差別や区別されていたであろう雑貨屋夫妻が最高にイイ人でいいキャラでした。
決して見放さないけど、干渉しすぎず、この人たちがいたからカイヤはまともな大人になれたのではないかと思う。

 

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女神の継承/阿鼻叫喚地獄絵図前が怖すぎて泣いた笑

いつもお読み頂きありがとうございます。
今日はタイが舞台のタイ、韓国合作ホラー映画『女神の継承』です。
タイ語の映画は初めて見るのですがいかに!!
 

 

  • まずは概要
  • あらすじ
  • ネタバレ無し感想
  • ネタバレ有り感想

 


まずは概要

 

原題:ร่างทรง
上映時間:130分
監督:バンジョン・ピサンタナクーン
脚本:バンジョン・ピサンタナクーン
出演者:ナリルヤ・グルモンコルペチ/サワニー・ウトーンマ/シラニ・ヤンキッティカン/ヤサカ・チャイソーン
公開:2021年
製作国:タイ、韓国

 

 

女神の継承

女神の継承

  • ナリルヤ・グルモンコルペチ
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あらすじ

 

タイのテレビクルーが田舎?なのかな??に伝わる女神信仰をテーマにしたドキュメンタリーを撮ろうと代々女神の力を引き継いでいるシャーマンのニムさんに密着。
代々ニムさんの家系の女性だけが継承してきたようで、普段の様子や儀式、ニムさんへのインタビューなんかを交えて進む。

 

ニムさんの妹の旦那さんのお葬式があったり(タイのお葬式がエレクトリカルパレードみたいで、ちょっと話が入ってこない笑
姪っ子ミンはちょっと様子がおかしかったり、 撮れ高高すぎなニムさん一家。
どうやらこの家系の男性には代々不幸な事が起こっているとかでいよいよホラー味が強くなってくる。

 

そんな中、姪っ子ミンの奇行がどんどん撮影されていく。
急に子供みたいになったり、暴力的になったり、あんな事やこんな事まで撮られたりしているところで、どうやら次の女神に選ばれた人物がミンっぽいぞとなる。
まさかの継承の儀式まで収められるとか撮れ高MAX、ツキまくり撮影クルー!!

 

でもミン一家は継承を拒否。ツイてない撮影クルー
しかし当のミンは誰がどう見てもおかしな感じになってきたので、こっそりお家に隠しカメラを設置することに。モラルゼロの撮影クルー

 

その頃ニムさんは「もしかして女神じゃなくね??もっと悪いもんじゃね??」って思い始め
ミン一家は「女神拒否した罰や…」って各々動き始めて結構収集がつかない感じに…
さてさてニムさん、ミンはどうなるのか!!

 

ネタバレ無し感想

 

ホラー映画観る度、毎度書いてますがホラー苦手なくせに新しいアイディアが使われているのでは!?って思いからつい観ちゃうんですよねー
でも邦画のホラーは兎に角苦手で、じめっとした雰囲気と、怨念とか人間の想いに起因するストーリーも、ジャンプスケアに頼らない"実は映ってる"みたいな演出とか…あの後引く怖さが苦手なんです。
ジャンプスケアが大丈夫かって言われると全然大丈夫ではなく毎回びっくりしすぎてひっくり返るのですが…笑

 

『女神の継承』はJホラーと欧米のホラーを足して2で割らなかった…みたいな感じで、苦手勢の私は死ぬかと思いました。
何で観たんだという後悔。
後半はもう諦めて眼鏡を外して音のみ楽しむことにしました。笑
なので後半の感想は怪しいです。

 

後半を観ることを諦めたのですが実際は中盤の『パラノーマル・アクティビティ』部分が泣くほど怖かった。
あーーー怖かった!!!怖かった!!!!!!!
不幸中の幸いは「来るぞ」ってタイミングが分かりやすかったことくらいかな。
綺麗な女優さんだったのにガチで悪魔憑きだよあんなの。
あと、この中盤には動物のシーンがあるのもめちゃくちゃしんどい。
あれは観てられない。

 

というか中盤に入る前、前半ラストみたいなタイミングで車の窓ガラスのシーンで既に心がズタズタに折れて一度観るのやめたの思い出しました。
「ヒッ!!!」ってなりました。
見逃してしまいそうな、まさにJホラー的"実は映ってる"演出です。もうやめて欲しい。
具体的には車の中のミンが窓ガラスに寄りかかっている感じのシーンです。
その窓ガラスに映ってます。何がかは自分で観て欲しいです。
ネタバレとか関係なく思い出したくないから言いたくないです笑

 

女優さんと言えばニム役の女優さんがなんかめちゃくちゃリアルなのも怖さに一役買っている気がします。
ウルルン滞在記とかイッテQとかでみた怪しい現地の霊媒師感が凄い。
というかただのおばちゃん感が凄い。
わんちゃん友達のお母さんで会ったことある気がする笑

 

インパクト強めメンバーとJホラーと欧米のホラーを足して2で割らなかった演出で私の脳と心に深く刻まれてしまった。

 

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ムーラン/多様性黎明期の傑作

いつもお読み頂きありがとうございます。
今日はディズニー長編映画36作目ルネサンス期の傑作ではないかと個人的には思った『ムーラン』です。

 

  • まずは概要
  • あらすじ
  • ネタバレ無し感想
  • ネタバレ有り感想

 


まずは概要

 

原題:Mulan
上映時間:88分
監督:バリー・クック/トニー・バンクロフト
脚本: リタ・シャオ/クリストファー・サンダース/フィリップ・ラゼブニク/レイモンド・シンガー/ユージニア・ボストウィック=シンガー
出演者:ミン・ナ/B・D・ウォン/エディ・マーフィ/ミゲル・フェラー
公開:1998年
製作国:アメリカ

 

このブログを書くにあたりシャン・ユーが藤岡弘、だって初めて知って衝撃を受けている。

確かに言われてみれば藤岡弘、声だけど、藤岡弘、ってディズニー声優だったのか…

 

ムーラン(吹替版)

ムーラン(吹替版)

  • すずきまゆみ
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あらすじ

 

偉大な戦士の娘さんでお転婆なムーランは、家のため縁談?お見合い?のセッティングをしてもらうため、いつもはしないお化粧にひらひらしたおめかしして仲人さんに会いに行くけど、ご先祖様に祈り倒していたお父さんの心配が的中して上手くいかず、仲人さんを激怒させて落ち込んで帰宅。

 

立派なお父さんは「遅咲きの花はより美しく大輪の花をつけるよ」なんて慰めてくれるけど、そもそも仲人さんに会いに行く前からお淑やかとは正反対で活発で男勝りな所があるムーランは自分を殺してまで良いお家に嫁ぐって言うのがしっくり来ていないようで、家族のため、家のためにって気持ちとの間で葛藤があり、有名な『リフレクション』にのせて気持ちを歌い上げます。
何気にムーランがメインの曲はこれだけなんですね。

 

そんな落ち込んでいるところに追い打ちをかけるかのように、国から召集令状が届き(おそらく先の戦いで痛めた)足の悪いお父さんが戦地に赴かなければならないことに…
ムーランは「ええぃ、もうわしが男の振りして父の代わりに行ったるワイ!!」と夜な夜なお父さんの甲冑や剣を身に着けて出て行ってしまう。

 

事の重大さにご先祖様'sも夜は墓場でミーティング~♪とばかりにムーランが無事帰ってこれるようにファ家の最強守り神を手配したはずなのですが、色々あって落ちこぼれ守り神のムーシューとコオロギをお供に戦地に赴くムーランの運命やいかにといったストーリー。

 

ジェンダーや昔ながらの価値観を少しずつアップデートしようとしている途中の作品という感じで、『アラジン』、『ノートルダムの鐘』、『ヘラクレス』、『ポカホンタス』あたりの集大成的な出来だと思いました。

 

ネタバレ無し感想

 

ディズニーのルネサンス期といえば、脱白人プリンセスやおとぎ話、脱欧米が進んで第二の黄金期なんて言われている時期の映画で、これなんかまさに中国が舞台でプリンセスでもなく、まさかの戦争に赴いたりするルネサンス期以前のディズニーではとても考えられない多様性にとんだ内容になっているなと、ひさっしぶりに観て感じました。

 

今観ると冒頭の旧時代的な考えを詰め込んだ『家に名誉を』なんかは少しギョッとするくらい家父長制や、男女の役割を古めかしい価値観で歌っていて令和の時代に大人になって聴くと中々すごい歌です。笑

「娘は嫁ぎ先次第では家に名誉を運ぶ、だから従順で無口で絹のような肌に細いウエストで、お淑やかにしていれば男に気に入られる。そして男は国を守り、女は家を守る〜」という内容を縁談?の準備をしながら歌われる。

 

ムーランがこれからすること、後半との対比をより鮮明にさせるためこれでもかというほど旧時代的な価値観をわざとらしく押し出していく最初のシークエンスは一昔前の映画とはいえ勇気ある。

 

『ムーラン』はディズニー映画にしてはミュージカルシーンが少ないと思うのですが『リフレクション』や『闘志を燃やせ!』など名曲が多い。

 

あと、絵柄に関しては前作の『ポカホンタス』みたいに雰囲気を重視した少しデフォルメされた絵柄がちょっと馴染みにくいな〜なんて思うのですが、背景は白雪姫の頃から変わらずめちゃくちゃキレイだし、よりアクションに力を入れて動かしやすいデザインにしたのかなとも思う。
中盤に差し掛かる頃には絵柄も全く気にならないし、イキイキ動くキャラが素晴らしい。

 

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エイジ・オブ・イノセンス/汚れなき情事/掌で転がされるダニエル・デイ=ルイス

いつもお読み頂きありがとうございます。
今日は『エイジ・オブ・イノセンス/汚れなき情事』

 

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  • ネタバレ無し感想
  • ネタバレ有り感想

 


まずは概要

 

原題:The Age of Innocence
上映時間:139分
監督:マーティン・スコセッシ
脚本:    ジェイ・コックス、マーティン・スコセッシ
出演者:ダニエル・デイ=ルイス/ミシェル・ファイファー/ウィノナ・ライダー
公開:1993年
製作国:アメリカ

 

 

エイジ・オブ・イノセンス (字幕版)

エイジ・オブ・イノセンス (字幕版)

  • ジョアン・ウッドワード
Amazon

 

 

あらすじ

 

1870年代のアメリカ、ニューヨーク、社交界!!最高
弁護士のニューランドさんが、可愛い可愛いメイことウィノナ・ライダーと婚約しているところに、幼馴染の自由奔放美人のオレンスカ夫人ミシェル・ファイファーさんが参戦。
でも社交界と言ってもヨーロッパ貴族の生活やファッションをそっくりそのまま真似た浅~い感じが何ともする。

 

そんな社交界でメイは古風なところがあり、オレンスカ夫人は真反対の自由人。
実はヨーロッパの本物の貴族に嫁いだけど旦那が横暴で離婚するために逃げてきたとかいう自由人っぷり。

 

華族は世間体があるから離婚してくれるなという姿勢ですが、当の主人公ニューランドさんはあまり保守的でもなかったのもあり、美人になって帰ってきた幼馴染で気になって気になって仕方ない…。

 

早く結婚しちまおう!!と思っても古風なメイは何をそんなに急いでおる。順を追ってしましょうや。って感じで元々保守的ではなかったニューランドさんと、自由奔放なオレンスカ夫人はどんどん意気投合していくは、オレンスカ夫人はみんなの爪弾き者にされるはで「俺が守ったらな」って気分になるんでしょう。私は男じゃないから知らないけど…てな感じのベタな展開で、割と静かな映画です。

 

ネタバレ無し感想

 

この映画は!! 私がこの世で一番大好きな映像作品シリーズ!!
『Gossip Girl』の中で!! 丸々一話この映画が題材?テーマ?の回があるんです!!
だからずーーーーーっと観たくてやっと鑑賞!!
DVD買うか一生悩んでいたのですがGossip girlの登場人物が「(文学系女子)大好きな作品」「(学年一のイケメン男子)あんな何も起きない退屈な映画のどこが!?」というやり取りがあるので、全く自分にはまらなかったらどうしよう…と躊躇していました笑

 

結果ハマりはしなかったですが、ちゃんとそれなりに楽しめるのはさすがマーティン・スコセッシ監督。

 

文学系女子のいうディテールが最高なんだというところは、繊細さ皆無の私には分からなかったですが、彼女がボタンを外す仕草で内なる情熱を表現している。と解説してくれたのでそういうものかーと思いながら鑑賞。

 

てか、なんでGossip girl内の演劇でメイが自由奔放ブロンドのセリーナで、オレンスカ夫人が生粋のお嬢様気質でブルネットのブレアだったんだろ??作中でもちょっと触れられてたけど逆じゃん??笑

 

話しを戻してダニエル・デイ=ルイスが苦悩する上流の弁護士ってのがめちゃくちゃハマってていい。

 

ほとんどGossip girlの感想になってしまいました…。

 

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