ぱぷでみー賞

日本一役に立たない映画感想とか趣味ブログ。

ティル/一番怖いのは人間系映画


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いつもお読み頂きありがとうございます。
今日はアメリカのその後を変えた実際の事件を題材にした映画『ティル』です。
なかなかハードな映画でした…。
いつもみたいにちょっとふざけたタイトルはつけられなかったです。
 

 

 


まずは概要

 

原題:Till
上映時間:130分
監督:シノニエ・チュクウ
脚本:マイケル・レイリー/キース・ボーチャンプ/シノニエ・チュクウ
出演者:ダニエル・デッドワイラー/ウーピー・ゴールドバーグ/ジェイリン・ホール/ヘイリー・ベネット
公開:2022年
製作国:アメリカ

 

 

ティル

ティル

  • Danielle Deadwyler
Amazon

 

あらすじ

 

あらすじと言っても実際にアメリカで1955年に起きた事件を時系列通りに映画にしただけなので、事件を知っている人には説明するだけ無駄だし。
事件を知らない人には、事件名を書くだけで何が起こるか分かっちゃうのでかけないし…という感じです。

そもそも実際の事件を描いている映画なので、作りてもどんな展開か観ている人がだいたい知っている体で作ってますよね??
でも日本だと私みたいに知らないで観始める人もいると思うので…

 

なのでとりあえずすっごく簡単に書くと…
1955年にシカゴに住んでる黒人の男の子が、おばあちゃんの生まれたミシシッピ州を見てきてほしいと、いとこの家に遊びに行くのですが、男の子のママは「シカゴと南部のミシシッピでは黒人の生き方が全く違う。自分が悪くなくても謝らなきゃいけないし、目立つことはしちゃダメ出し、いとこたちから絶対に離れちゃだめだ」って再三忠告して送り出し、楽しく過ごしていたのですがとある白人が経営するお店で…という話です。

 

まじで最初の30分も書いてないです…

 

ネタバレ無し感想

 

実際の事件を題材にした映画の感想を書く時、だいたいいつも言っていて我ながらお恥ずかしいのですが、この事件も知りませんでした。
この事件はアメリカで実際に法案の名前にもなっているようなので、流石に私が無知すぎたのか、日本人は大体こんなもんなのか…
どちらにしろ知らないより知っているべき事件だと思いました。

 

アメリカの黒人、有色人種への差別は根深くて我々日本人にはなかなか理解出来ないのは、いろんな映画を観て重々分かっているつもりではありますが、事件の発端が「え、そんなことで…」という印象がすごいです。
確かにニュースで冤罪だったり、”そこにいた”ってだけで殺されてしまう黒人のニュースは目にすることがありますが、実際に映像で観ると「子どものした、たかだかそれだけのことで…」と思わずにはいられません。

 

人間の本質ってやっぱり暴力なのか…って怖くなります。
他にも多数ある黒人差別を扱った『それでも夜は明ける』や『マンディンゴ』なんかと違うのは、個人が標的になってしまっている話しというのが辛さを助長させている気がします。
『それでも夜は明ける』も個人の話ですが"ましな生活をしていた人が他の黒人奴隷と同じ扱いにされてしまった"と"まだましな生活をしていた人が些細なことで誰よりもひどい目にあわされた"っていうのがしんどいです。
比べるような物ではないのは分かってますが、そもそも事件が辛すぎます。

 

私こういう映画の感想って、映画の感想ではなく事件への自分のお気持ちになってしまうんですよね…

 

 

ネタバレ有り感想

 

さて、ネタバレあり感想です。
実際の事件名は「エメット・ティル殺害事件」ちょっと調べてみると映画よりもっと酷いようで、なんで同じ人間同士でこんなことが起きるんだろって悲しいというかなんというか…言葉もないです。


歯は全部おられて、片目の眼球が無くなっていたってどういうことか理解ができない。
最終的に川に沈められてしまったからか、膨れ上がっていて映画では、ぱっと見人なのか分からないくらいひどい有様でした。
「人に見せられる状態じゃない」と言われた母エイミーが返した「いいえ、人に見せるべき状態だ。私の息子がどんな目に遭ったのか世界が見るべきだ」というシーンの通り、映画と全く同じ実際の新聞の写真がググると出てきます。
棺を開けたままの葬儀など、批判や心無い言葉も沢山浴びせられただろうなって事が容易に想像できます。強い女性だなと感じます。

 

事件の記録がしっかりと残っているからなのか、エイミーの服装なども実際のそっくりな物を着ていて、制作陣の映画にかける熱意を感じます。

 

映画タイトルは『ティル』ですが映画の主人公は母エイミーで、息子の凄惨な死から黒人全体の公民権運動関わっていくお話です。
エイミー役のダニエル・デッドワイラーさんはおそらくこの映画で初めて見たのですが凄かったです。
特にティルの遺体と対面するシーン、大叔父を責めるシーン、やらせの様な裁判で証言をするシーンが印象的でした。

 

特に大叔父とのシーンでは「家に銃があったのになんで連れていかれたんだ、結局自分の子供たちを優先した」と怒るエイミーに対して「銃を撃ったりなんかしたら一家全員、この町の黒人全員殺される。犯人の背後にはたくさんの白人がいて、私の背後にはたくさんの黒人がいる」という感じのやり取りがあるのですが、まさに息子という個人の死から黒人全体の公民権運動へという映画や、アメリカの黒人社会全体を分かりやすく説明してくれているシーンだなと思います。
お互いの演技も素晴らしいです。

 

兎に角目を背けずに観るべき映画だし、日本人も知るべき事件だなと思います。

 

 

ぱぷぽ